「岩田の墓市」
近鉄若江岩田駅の北側の商店通りを10分ほど行くと、「岩田墓地」があります。約二千基の墓石があるというこの墓地の周辺で、毎年8月11日に祭りがあります。神社仏閣の祭りと違って神輿や花火もありませんが、商店通りにはずらっーと露店が並び、3万人以上の人がやってきます。
この珍しい祭りの起源は江戸時代ということですが、墓地の始まりは古くて、1300年ほど前、飢饉と疫病のため河内地域に多くの死者が出た時、巡行してきた行基という僧が霊をとむらい住民を救うために造ったといわれています。これが庶民のための墓の始まりだそうです。そんな行基さんの命日が8月11日で、供養の日として毎年開かれるようになりましたが、地域にとっても盆入り前の先祖霊を慰める日になりました。
行基さんは岩田を含め河内に七基の墓地を造り、「七墓詣り」というのがあったそうです。八尾市の神立、垣内、恩智、晒、東大阪市の有馬(長瀬)、岩田、額田の七つの墓地を巡ると、死際に下の世話を受けなくてもすむといわれ、昔は巡る人も多かったとか。そんな話をしていた岩田北本通商店街振興組合理事のブティック・タマノ井のご主人は「今はこうした“祭りのいわれ”も知らない人達が増えてきたね」と言われます。とっても意味深い“いわれ”で大切にしたいですね。
東大阪市 Y.U(女性・35歳)
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