殿様流儀の入浴法
山あいから湯けむりたちのぼる秘湯の一軒宿。「おお寒い」と震えながら、あったかい温泉に飛び込む。いよさそうに見えるが、実は大変危険でもある。泉質にもよるが、大変滑りやすい。あわて過ぎて、転倒する人が意外と多いそうだ。ちゃんと張り紙しているところもある。
次に、いきなり熱い湯に飛び込むのではなく、しっかりと掛け湯をしてから入るのがエチケットでもある。
家族風呂が増えて共同浴場にいかなくなったせいもあるが、いきなり飛び込む子供たちが多い。
からだによくないのはもちろんだが、不潔で無礼だ。家庭で教えないなら、せめても修学旅行のときにきっちり教えてほしい。タオルは浴槽に入れない。たまにあるが、まずぬるい湯があって、そこにゆっくり入ってから熱い湯に移るのを「殿様流儀」というのである。理にかなっているし、リラックスできる。
(嶽) (1999年 大阪新聞より)
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