美術館と自然
美術館だけではなく、その庭園や周辺、アプローチがよくできているところにいくと、得をした気になるものだ。その代表格は、島根県の「足立美術館」だろう。故・足立全康氏のコレクションを継承する美術館で日本画、とくに大観に力をいれているが、もう一つの目玉が見事な借景の日本庭園で、スケールも大きく手入れも行き届いている。ツツジのころは最高で茶室、喫茶、軽食のスペースもゆったり。 まだオープンして3年の滋賀県信楽の高原にある「MIHO MUSEUM」はI・Mペイ氏のユニークな設計でしだれ桜や松を配し、建造物の80%を地中に埋没して自然環境の美しさを創出している。日本美術と世界古代美術をメーンとするが、現在古代ガラス展を開催中だ。奈良の寧楽美術館と依水園、大阪市立美術館と慶沢園、広島県の下蒲刈島、新潟県の糸魚川市にもある。
(嶽) (2000年 大阪新聞より)
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