原爆ドーム
1996年、世界遺産に登録された原爆ドームと平和記念公園。1945年8月6日、原爆がこの建物のほぼ真上で炸裂、後に原爆ドームと呼ばれるようになった。過ちを繰り返さないために原爆ドームはそのままの姿で保存、現在まで内外から恒久平和を願うたくさんの人達が訪れている。
人類史上空前の惨劇から立ち上がってきた人々、その祈りに似た平和への渇望をこのドームは痛いほど見続けてきたのだろう。今、その背後に夕陽が降りてきた時、人間の全ての苦悩を受け止め、浄化した希望だけを与える仏像のように見える。ドームを包む夕陽の光はまるで後輪のように輝き、「夕陽を心の故郷とする」日本人にとって、胸に焼き付くような光景になる。原爆ドームの夕陽は、「戦争の世紀」
20世紀から「巡礼の世紀」21世紀へのかけ橋となり、心の清浄を求める人々の指針となるであろう。
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